~竹市求仙老師(光徳寺住職)刻字歴60周年記念展~
曹洞宗禅文化の会では、会報で竹市求仙老師(僧名:竹市文光老師・群馬県藤岡市光徳寺第32世住職)を特集として取り上げるため、取材を兼ねて個展を拝観いたしました。
竹市老師の刻字歴60周年を記念する個展は、2月19日から24日まで高崎高島屋5階アートギャラリーにて開催されました。ご案内の葉書には次のように記されていました。
「このたび、竹市求仙先生の刻字歴60年を記念して個展を開催いたします。刻字は“日本の書”であり、自書自刻が基本。文字を立体的・独創的に表現する芸術です。今展では、文字の美しさと魅力をお楽しみください。」
最終日の2月24日午後、会場を訪問いたしました。会場にはお祝いの花々が並び、たくさんの来場者で賑わっていました。竹市老師は多くの方々に囲まれ、長年の活動に対する敬愛と人気の高さが感じられました。
展示されていた数十点の刻字額はどれも迫力があり、特に中央に掲げられ「断」の作品は、額いっぱいに彫り込まれた力強い文字が印象的でした。この「断」は案内の葉書にも掲載されており、まさに今回の象徴的な作品といえるものでした。
群馬県刻字界の重鎮として
竹市老師は、若い頃から刻字を学び、その作品は各地の寺院などに収蔵されています。たとえば、雙林寺(群馬県渋川市)、仁叟寺(高崎市)、松竹院、浄雲寺など、多くの名刹の伽藍を老師の刻字額が荘厳しています。
現在は、
- 毎日書道展審査委員
- 日本刻字協会理事
- 日本刻字展審査会員
- 群馬刻字協会理事長
- 群馬刻字展副会長・審査会員
- 上毛書道三十人展相談役
などを務められ、まさに群馬県刻字界の重鎮として知られています。
教室での指導と語られた想い
老師は現在も、毎月第2・第4木曜日の午後6時から刻字の勉強会を開かれています。10名ほどの生徒さんが学ばれており、その中には10年以上継続して学び、県展委嘱会員となった方もいらっしゃいます。
老師は次のように語られました。
「習字や刻字を基本から学び、やがては寺院の山号額を作るまでの力をつけてほしい。私自身、学生時代から刻字を始めて60年。光徳寺住職、ひかりこども園園長、そして刻字作家として三つの道を歩んできました。いつの間にか79歳。こうして続けてこられたのも皆さまのおかげです。」特に印象に残っている出来事として、毎日書道展で大賞を受賞し審査会員に昇格された時のことを挙げられました。その際の作品は畳一畳ほどの大作で、今も光徳寺に飾られているそうです。
奥さまの思い出とこれから
奥さまの竹市まち子さんにもお話を伺いました。
「伊香保で行われたスケート国体の折、陛下が刻字に関心を持たれ、作品をご覧になったことをよく覚えています。私も以前は刻字をしておりました。雙林寺の聯を作らせていただいた時には、運搬中にぎっくり腰になってしまったのも今では良い思い出です。」
現在は泰叟寺の額を製作中で、今春には完成・奉納される予定とのことです。
大変お忙しい中、温かくご案内くださった竹市求仙老師ご夫妻に心より御礼申し上げます。
刻字を通じて禅の精神と美を伝える老師の、今後ますますのご活躍をお祈りいたします。



